BMW M4 CSL G82の方が速く、共通する5コースで平均6s速いタイムを記録しています。
Porsche Taycan Turbo S EV 対 BMW M4 CSL G82: 電動精度とバイエルンの猛威が激突
ラップタイム対決:数字が雄弁に物語る
Porsche Taycan Turbo S EVとBMW M4 CSL G82をスペック表で並べてみると、その対比はパドックで並ぶシルエット以上に鮮烈だ。Taycan Turbo Sは堂々たる4773ポンドの車重に、デュアル・モーターによるAWDが1049.4Nmという圧倒的トルクを四輪全てに叩き込む。一方、M4 CSLは3582ポンドという軽量ボディに、鋭く応答するツインターボ直6が543PS・649.44Nmを後輪に伝える、ピュアなFRマシンである。
しかし、スペック上の数字はあくまで序章。本質が明らかになるのはサーキット上だ。多様なコースでM4 CSLが一歩先行する展開が続くが、データが語る物語は単なる勝敗以上に奥深い。
- Nürburgring - Nordschleifeでは、M4 CSLが記録した7:17.08がTaycanの7:33.3よりも16秒も速く、グリーンヘルのテクニカルセクションでM4の軽さとFRの純度が光る一方、Taycanの重量が壁として立ち塞がる。 - Virginia International Raceway - Grand West Courseでもその差は明快。M4 CSLの2:47.5に対しTaycanは2:55.18で、7.7秒のギャップがつく。 - Hockenheimring - GPではM4の1:50.1がTaycanの1:54.8をおよそ5秒上回る。これは高いグリップと加速力で低速コーナー立ち上がりに差がついた結果だ。 - しかしCircuits automobiles LFG - Ferté Gaucher - GPではTaycanが意地を見せる。1:54.29でM4の1:54.3を0.01秒だけ先着。タイトかつトラクション勝負のテクニカルコースでは、即時トルクと四駆の持つ強みでTaycanが逆襲できることを証明した。
このパフォーマンス比較から見えてくるのは、M4 CSLが総合的な速さでリードしつつ、Taycan Turbo Sもただの傍観者ではないという事実。電動AWDと独特のトルク特性が、特定の条件下では確かな武器となるのだ。
エンジニアリング思想:EV新時代vs伝統のパフォーマンス
Taycan Turbo SはPorscheの最先端技術を象徴するモデル。静寂の中で乗員を運び、瞬時のトルクで景色を一気に引き寄せる。AWDは悪条件でもドライバーを積極的にサポートし、その加速感は中毒性すら漂う。ただし、その贅沢さとテクノロジーは“大きな代償”も伴う。ほぼ4800ポンドの巨体は、ハイスピードなコーナー連続やブレーキングで物理的な不利となる。
対するM4 CSLは、BMWモータースポーツの血統が凝縮された1台。軽量ボディとFRシャシー、研ぎ澄まされたステアリングは、ドライバーの腕を確かな手応えで返してくれる。直6エンジンのリニアなレスポンスはマシンとの一体感を際立たせ、接地感や精密さを重視するピュア派の支持を集めている。CSLの名はただの飾りではなく、サーキットで鍛え上げられつつ、日常でも使える絶妙なバランス。BMWであることを忘れさせない洗練も持ち合わせている。
市場価値・オーナーシップ・ターゲット層
車両本体価格で見ると、Taycan Turbo S EVはフラッグシップらしい高価格帯。最先端のEV技術、Porscheのブランド力を考えれば妥当であり、新車・中古車いずれも希少性と高い残価率を誇る。EVが一般化する中でも、Taycanは依然としてプレミアムな地位をキープしている。
M4 CSLは、台数限定のエンスージアスト・スペシャル。3シリーズ派生とは思えぬ高額設定ながら、特別感とモータースポーツの系譜が価値を裏付け、リセールも堅調。サーキット走行を嗜む“通”や、アナログなドライビングフィールを求めるコレクター向けの1台だ。
Taycanのオーナーにとっては、“未来”を手軽さやブランド力を妥協せず手に入れることが可能。ノーマル状態でも十分世界級のパフォーマンスだが、チューニングの自由度は現時点でICEモデルほど広くない。一方M4 CSLは、素のままでも速いが、アフターマーケットでの発展性がさらに高く、タイムアタックからクラブレースまでオーナー個々の使い方に最適化できる。
総括:新世代パフォーマンスの定義
ラップタイム対決を制したのはBMW M4 CSL G82だが、Porsche Taycan Turbo S EVは“パフォーマンス・セダン”の新解釈を提示している。タイム至上主義、RWDがもたらす伝統の歓びを求めるなら、M4 CSLは迷いのない選択肢。しかし、テクノロジーを愛する新世代にはTaycan Turbo S EVこそが未来。静寂、異次元のトルク、全天候対応力という価値が、本物の速さと共存する土壌を切り拓きつつある。
データが示す通り、ストップウォッチ上でM4 CSLが王者である一方、Taycan Turbo Sも1周1周、確実にその背中を追い上げてきているのだ。
仕様
| 仕様 | Porsche Taycan Turbo S EV Taycan Turbo S EV | BMW M4 CSL G82 M4 CSL G82 |
|---|---|---|
| モデルイヤー | 2020-2021 | 2023 |
| 馬力 | 761 | 543 |
| トルク (N_M) | 1049 | 649 |
| 重さ (KG) | 2,165 | 1,625 |
| パワーウェイト | 0.35 | 0.33 |
| Rank | #133 | #42 |
| タイヤ |
60 P ZERO CORSA
265/35/21 / 305/30/21 |
80 PILOT SPORT CUP 2R
275/35/19 / 285/30/20 |
| エンジンの説明 | dual electric motors | 3.0-litre twin-turbocharged straight-six |
| ドライブタイプ | AWD | RWD |
| ホイールベース (MM) | 2901 | 2858 |
| 幅 (MM) | 1969 | 1887 |
| 長さ (MM) | 4963 | 4793 |
| 高さ (MM) | 1379 | 1392 |
| 0 - 60 MPH | 2.6 秒 | 3.6 秒 |
| 最高速度 (KPH) | 259 | 299 |
| 価格 MSRP | ドル 185,000 | ドル 139,900 |
| 現在値 | ドル 165,000 | ドル 125,000 |
| 全体と平均のラップタイム比較 | -2.93s | -7.18s |
ラップタイム
| トラック名 | Taycan Turbo S EV Taycan T… | M4 CSL G82 M4 CSL G… | Diff | モッド | トレッドウェア TW | ビデオ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Nürburgring (Nordschleife) | 7:33.3 | 7:17.08 | +16.22 | Stock | 0–99 | ▶ VS ▶ |
| Virginia International Raceway - VIR (Grand West Course) | 2:55.18 | 2:47.5 | +7.68 | Stock | 0–99 | |
| Hockenheimring (GP) | 1:54.8 | 1:50.1 | +4.7 | Stock | 0–99 | |
| Circuit de Nevers Magny-Cours (CW) | 1:21.28 | 1:20.1 | +1.18 | Stock | 0–99 | |
| Circuits automobiles LFG - Ferté Gaucher (GP) | 1:54.29 | 1:54.3 | -0.01 | Stock | 0–99 |
Additional Lap Times
| トラック名 | Taycan Turbo S EV Taycan T… | M4 CSL G82 M4 CSL G… | Diff | モッド | トレッドウェア TW | ビデオ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Nürburgring (Nordschleife) | 7:33.35 | 7:17.08 | +16.27 | Light / Stock | 300 / 80 |