McLaren 720S vs McLaren 750S:サーキットで進化するスーパーカー
McLarenが720Sを発表した瞬間、それまでのミッドシップ・後輪駆動スーパーカーの常識が覆されました。そして750Sの登場によって、そのハードルはさらに引き上げられました。両モデルとも、マクラーレンらしいDNA——軽量カーボン構造、火山のごときツインターボV8、そしてラップタイム至上主義といえる純粋な志向——を色濃く受け継いでいます。しかし、本当に優れているのはどちらなのか。スペック表ではなく、ストップウォッチがジャッジとなると、二台の実力差はどう現れるのでしょうか。LapMetaの実測データから、伝説と真実を分けてみましょう。
パフォーマンスデータ:数字が語る説得力
両車ともに4.0リッター・ツインターボV8を搭載しながらも、750Sは750PS、最大トルク約800Nmという明確な数値的アドバンテージに加え、既に軽量な720Sからさらに77ポンドの減量を実現しています。しかし、カタログ上の数値がすべてを物語るわけではありません。本当の実力はサーキットでのみ明らかになります。
最大の見どころとなる直接対決は、Laguna Seca - Current コースで実現。750Sがノーマル状態で叩き出した 1:27.1 という脅威的なタイムは圧巻です。720Sも軽いチューンを受けながら 1:32.86 という立派なタイムを記録していますが、その差は5.76秒。サーキットシーンでは単なるアップグレードではなく、世代交代と呼べるほどの開きです。純正のままでありながらこれだけの差をつける750Sは、単なるパワーアップではなく、車体全体のシナジーが劇的に進化した証拠と言えるでしょう。
エンジニアリング・ターゲット層・価値観:ラップタイム以上の魅力
720Sも750Sも、目の肥えたエンスージアストをターゲットにしたモデルです。サーキットでの圧倒的な速さはもちろん、後輪駆動ミッドシップならではのダイレクトなフィードバックやバランスを愛するドライバーにピッタリ。720Sはデビュー当時、ショールームからそのまま世界最速レベルを叩き出し、しばしば高価格のトラックスペシャルモデルすら打ち負かすポテンシャルを見せつけてきました。720PSと3200ポンド未満の車重は、乗り手次第で“武器”と化し、軽いカスタムを施せばなおさら攻撃力が増します。
一方、750Sはマクラーレンの徹底した熟成の産物。さらなる軽量化、レスポンスの向上、V8エンジンのポテンシャルを極限まで引き出しながらも、根底の哲学はそのまま。ピュアなドライバーにとっては「サーキットまで自走し、最速ラップを記録し、また自走で帰る」……そんな理想のスーパーカーに仕上がっています。そのラグナ・セカでの独走的タイムは、まさにそれを象徴しています。
経済的な視点で見れば、720Sの新車時価格はスーパーカー市場の中では比較的手頃で、年式が進んだ今では減価償却も進み、幅広い層のドライバーが手の届く「実績あるベース車」となっています。一方、750Sは最新フラッグシップモデルとしてプレミア価格が付くものの、ラグナ・セカで実証された驚異的なパフォーマンス差を考えれば、「妥協を許さない」ユーザーにとってその投資価値は充分に見合うでしょう。
最終評価:レガシーと進化の跳躍
McLaren 720Sは今なお時代の基準を塗り替えた存在として君臨し続けています。しかし750Sは、そのあらゆる性能指標で720Sを凌駕し、進化の本流を象徴する最新モデル。わずかな進化ではなく、実走シーンにおける大きなジャンプアップを体感させてくれます。「実績あるカスタムベース」を求めるなら720Sは今も最強の選択肢ですが、「最先端」を求めるなら750Sこそ新たなスタンダードです。
結局、マクラーレンの“速さへの執念”によって、唯一の敗者はストップウォッチかもしれません。750Sがラグナ・セカで叩き出した 1:27.1 という圧倒的タイムが、今後も「新たな主役」の地位を不動のものとするでしょう。そして、また次なるMcLarenがこの記録を塗り替える時を待つことになります。
仕様
| 仕様 | McLaren 720S 720S | McLaren 750S 750S |
|---|---|---|
| モデルイヤー | 2017-2022 | 2024-2026 |
| 馬力 | 720 | 750 |
| トルク (N_M) | 770 | 800 |
| 過給機 | はい | はい |
| 重さ (KG) | 1,424 | 1,389 |
| パワーウェイト | 0.51 | 0.54 |
| Rank | #7 | - |
| タイヤ |
60 P ZERO™ TROFEO R
245/35/19 / 305/30/20 |
60 P ZERO™ TROFEO R
245/35/19 / 305/30/20 |
| エンジンの説明 | 4.0 L M840T twin-turbocharged V8 | 4-litre twin-turbocharged V8 |
| ギアボックス | 7-SPEED DUAL-CLUTCH | 7-SPEED DUAL-CLUTCH AUTOMATIC |
| ドライブタイプ | RWD | RWD |
| ホイールベース (MM) | 2670 | 2670 |
| 幅 (MM) | 1930 | 2162 |
| 長さ (MM) | 4544 | 4569 |
| 高さ (MM) | 1196 | 1196 |
| 0 - 60 MPH | 2.9 秒 | 2.7 秒 |
| 最高速度 (KPH) | 341 | 332 |
| 価格 MSRP | ドル 301,500 | ドル 308,195 |
| 現在値 | ドル 252,500 | ドル 350,000 |
| 全体と平均のラップタイム比較 | -9.48s | -10.73s |